はい、ごめんください。コンセプトダイアグラム・エバンジェリストのコスギです。
コンセプトダイアグラムの描き方について、講座でも使っている手順をまとめました。
こちらはステップへの落とし込みから始める後編なので、前編を読まれていない方は以下から確認してください。
なお、一般的なコンセプトダイアグラムはステップの数が8つ程度という理想はあるものの、今回説明している配置が絶対ではありません。ステップの落とし込みに難しさを感じる方が多いため、今回は初心者の方が「とりあえず1回は最後まで描いてみる」ことを目標にして解説しています。
ですから、一緒にコンセプトダイアグラムをカジュアルに楽しみながら、ステップの落とし込みに慣れていきましょう。フォーラムのケーススタディも参考にしてくださいね(/・ω・)/
(ケーススタディのフォーラムはコンセプトダイアグラムの公式ワークショップを受講してプラクティショナーとなった方が参加できます)
①ステップの枠を配置する
本来なら描きながら配置していくものですが、慣れないうちは以下のようにステップの枠を配置してしまうことをオススメします。
ステップの枠は、1回以上の統合と分岐があることが望ましいので、大抵の場合、上記のような配置になります。当然、統合するステップは右ではなく、下に来ることもあるかもしれません。まずは上記のように配置して、描きながら調整すると良いでしょう。
②ステップを埋めていく
ここは個人ワークです。前編で考えた軸の深まりを参考に、「顧客の心の声」を埋めていきます。まずは文字数を気にせずに、自由に書いてみてください。深まりの文言は使ってもいいですし、使わなくても大丈夫。ただ、ステップが偏らないように気をつけましょう。
例)このサイトの場合
「なんかよさそう」というスタートから「顧客視点の実践者」というゴールへのステップを、以下のようにつらつらと考えてみました。
(参加して)と書いてあるステップが見えますが、これは施策であって対象者の心の声ではないので、あとでカットしておきます。
③ステップの文言を丸める
前編で行ったように、各ステップの文言も端的に表現していきます。納得感を大切にしながら各ステップ8文字以内で表現し、長くても12文字以下にしてください。ここまで来たら、軸の深まりはそんなに気にしなくても大丈夫です(そもそも粒度を合わせるために使ったので)。
例)このサイトの場合
②でつらつらと書いたものを丸めると、以下のようなステップになりました。
④全体を調整して清書
ここまで来たら、A4用紙と太いペン(プロッキーなど)で清書してみましょう。作ったコンセプトダイアグラムが1つだけなら、ホワイトボードに清書するのも良いですね。ごちゃごちゃしたものをすっきりさせたら、対象者の言葉で補足してあげるとわかりやすくなります。紙面が小さくて乗らない場合は、付箋で対象者の声を貼るのも良いですよ。
例)このサイトの場合
「コンセプトダイアグラムのオフィシャルサイト」のコンセプトダイアグラムは、以下のようになりました。
つまり「コンセプトダイアグラムに興味を持った人が、顧客視点の実践者になれるサイト」が関係者間の合言葉となり、運用し、改善していくことになります。
⑤振り返り・発表
できあがっていくコンセプトダイアグラムを見ていると、湯水のように「あれもしたい」「これもしたい」と施策が思いつく方もいるでしょう。その俯瞰的な企業視点は、次のカスタマーアナリティクスに活かせます。ですから、その視点はもう少し置いておき、今は描いたダイアグラムから得られた気づきを共有してください。
いくつか質問を挙げておきますので、振り返りの参考にしてください。
- 最初に書いたフローとの違いは何ですか?それはなぜだと思いますか?
- 一番難しかったところはどこですか?それはなぜだと思いますか?
- 一番楽しかったところはどこですか?それはなぜだと思いますか?
できたコンセプトダイアグラムを他のグループに発表する場合、ゴールからスタート、そして軸やステップなど、つくった順に説明するとわかりやすいです。また、上記の質問をひとつピックアップして発表を締めくくると、良いプレゼンになりますのでお試しください。
納得感のあるコンセプトダイアグラムができあがると、ゴールの文言そのものが合言葉となります。ぜひ実務でこの「合言葉」を顧客視点のマーケティング活動に活かしてください。
まとめ
できあがったものは次のカスタマーアナリティクスに活かしていきますが、まずは図解して見える化したことで得られた気づきを、参加者全員で共有してください。顧客視点を十分に堪能しておくと施策の必然性が増すので、振り返りの時間がとても大切なのです。
コンセプトダイアグラムは納得感を大事にして作り上げるため結構な労力と時間がかかりますが、違和感を感じるようなら改めてゴール設定から見直し、何度でもつくり直す必要があります。カスタマーアナリティクスの元とするなら、解析の設計に影響するためです。
これまでの流れを参考に、ぜひコンセプトダイアグラムをカジュアルに使ってみてくださいね。
カスタマーアナリティクスを行なうための施策やKPIの設定は、また次回に!