それなら、右上に向かって描いたほうが説得力も納得感も増すのではないでしょうか?
左から右に向かっていくのは「時間の流れ」を表現することが多いのですが、これは共通認識として問題ないと思います。そして、右上に向かうと上昇傾向、右下に向かうと下降傾向というイメージを持っていることも多いですね。
コンセプトダイアグラムと似た手法であるカスタマージャーニーマップでは、感情曲線を描く際に、ポジティブな感情を上向き、ネガティブな感情を下向きで表します。企業としては基本的に上向きにしたいものでしょうが、大抵の場合、エスカレーターのように上がっていくことは少なく、上昇と下降を繰り返して上がっていきます。
では、コンセプトダイアグラムがなぜ右下に向かっているのかといえば、それは「深まり」や「成熟」を表しているからです。
海外では「ファネル(ろうと)」という逆三角形の図に表す考え方があり、マーケティングファネルとしてよく使われています。薄くてたくさんのものが、下に行くほど濃くて少なくなるというイメージですね。日本では「実るほど頭を垂れる稲穂かな」ということわざをご存知の方も多いでしょうから、こちらのイメージのほうが合うかもしれません。コンセプトダイアグラムは今までの視点とは違うものですから、固定概念にとらわれない「深まる」ダイアグラムを描けるといいですね。
ステップまで落とし込んだあとは、施策とKPIの設定が待っています。そこからが、カスタマーアナリティクスの始まりです。積み重ねていくアクセス数や利益は、上向いた方が良いものですよね。顧客との関係を深めることで、企業の業績に表れる。そんなコンセプトダイアグラムを目指しましょう。